好酸球性副鼻腔炎(鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎)
気管支喘息と合併しやすく、手術しても再発しやすい「治りにくい」タイプの副鼻腔炎。半年に1回の新しい注射薬が登場したことで、あらためて注目されています。
💡 注目ポイント
- 普通の慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)とは違い、抗菌薬や手術だけでは治りにくく、鼻茸(ポリープ)が繰り返しできるのが特徴。国の指定難病(306番)にも登録されています。
- 診断は、鼻茸のできかたや篩骨洞の陰影、血液中の好酸球の割合などをスコア化(17点満点)し、11点以上かつ鼻茸組織中の好酸球数が一定数以上で確定します。
- 気管支喘息や好酸球性中耳炎(難聴)を合併しやすく、「ただのアレルギー性鼻炎・かぜの長引いたもの」と見過ごされがちなので注意が必要です。
- 2026年4月には、気管支喘息とこの疾患の両方に使えるデペモキマブ(エキシデンサー)が薬価収載され、26週(半年)に1回の注射という新しい選択肢が加わりました。
🩺 症状・特徴
主な症状は嗅覚低下・鼻づまりで、鼻水、後鼻漏、頭痛・頭重感、頬の痛みなども見られます。両側性に多発する鼻茸が特徴的で、手術で切除してもすぐに再発しやすいのが厄介なところ。重症度が中等症以上、または好酸球性中耳炎を合併している場合に指定難病の対象になります。
💊 対応・治療のポイント
治療は内視鏡下鼻副鼻腔手術に加え、鼻噴霧用ステロイドなどの薬物療法が基本です。それでもコントロールが難しい重症例では、IL-5やIL-4/13などを標的とする生物学的製剤(デュピルマブ、メポリズマブ、デペモキマブなど)が保険適用で使えるようになっており、手術を繰り返さずに症状をコントロールできる選択肢が増えています。
⚠️ 服薬指導・現場での注意点
「ただの蓄膿症・アレルギー性鼻炎」と自己判断せず、鼻づまりや嗅覚低下が長引く場合は耳鼻咽喉科への受診を勧めることが大切です。生物学的製剤を使う患者さんには、通院間隔や自己注射の手技、注射部位反応などの副作用について説明することも服薬指導の重要なポイントになります。既存治療で改善しない重症例では、指定難病の医療費助成制度の対象になり得ることも知っておくと、患者さんへの案内に役立ちます。
診断基準や指定難病の認定要件は今後改定される可能性があるため、最新情報は難病情報センター等の公式情報で確認することをおすすめします。