子宮頸がん(新しい検診方法「HPV検査単独法」)
従来の細胞診に加えて、HPVというウイルスそのものを調べる「HPV検査単独法」が新たな選択肢に。自治体によって導入状況にかなり差があるのが今の特徴です。
💡 注目ポイント
- 厚生労働省は令和6(2024)年2月14日にがん検診指針を改正し、30歳以上(60歳以下に特に推奨)を対象とした「HPV検査単独法」(5年に1回)を、従来の細胞診(2年に1回)と並ぶ検診方法として新たに加えました。
- HPV検査単独法は、子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)そのものを検出する検査です。陽性の場合は残った検体でトリアージとして細胞診を行い、細胞診も陽性なら精密検査(コルポスコピー・組織診)へ、細胞診が陰性なら1年後に追跡のHPV検査を受ける、という流れになります。
- 導入は自治体ごとに大きな差があり、2026年7月時点で全国600を超える市区町村が「導入予定なし」と回答しています。一方、横浜市のように2025年1月から30〜60歳を対象に5年に1回のHPV単独法をすでに導入している自治体もあります。
- 「導入予定」の自治体も着実に増えています。2025年6月時点の調査では、導入済みが4自治体、導入予定が59自治体(内訳:2025年度5、2026年度31、2027年度以降23)、導入するか・時期をどうするか検討中の自治体が約1,000にのぼりました。志木市のように令和6年度からHPV検診(30〜60歳は5年間隔、20歳代・62歳以降は従来の細胞診2年間隔)を導入し継続している例や、神戸市のように2026年6月時点で導入パターン(対象年齢の一斉切り替えや移行期間の設け方など)を具体的に検討している例もあります。
- そのため「以前は2年ごとと言われたのに」「隣の市とやり方が違う」といった戸惑いが起こりやすく、受診者は自分の住んでいる(または勤務先の)自治体が今どの方式・スケジュールなのかを、検診案内や自治体窓口で確認する必要があります。
🩺 症状・特徴
子宮頸がんは、主に性交渉によって感染するHPVの持続感染が主な原因で起こるがんです。初期はほとんど自覚症状がなく、進行すると不正出血、性交時の出血、おりものの異常などがみられるようになります。日本では年間約1万人が罹患し、約3,000人弱が亡くなっているとされ、近年は20〜40代の比較的若い世代での罹患も目立っています。
💊 対応・治療のポイント
検診方法は大きく2つあります。従来の「細胞診」は子宮頸部の細胞を採取し、顕微鏡で異常細胞の有無を調べる方法で、2年に1回の受診が基本です。新しい「HPV検査単独法」はウイルスのDNAを直接検出する方法で、陰性であれば次回は5年後でよく、受診者の負担軽減が期待されています。陽性となった場合は、トリアージの細胞診→精密検査(陽性時)、または1年後の追跡HPV検査(陰性時)という流れで進みます。
⚠️ 服薬指導・現場での注意点
薬局の窓口でも「検診の間隔が前と違う」「どちらの検査を受ければいいのか」といった相談を受けることがあります。まずは住んでいる自治体の検診案内を確認するよう伝えるのが基本です。また、HPVワクチンの接種歴があっても定期的な子宮頸がん検診は引き続き必要であること、HPV陽性=がんではなく多くは体外に自然に排出されるウイルスであることを伝えると、患者さんの不安の軽減につながります。
検診方式の導入状況は自治体・年度によって今後も変わっていく可能性があります。最新情報は、お住まいの自治体の検診案内や、厚生労働省・国立がん研究センターの公式情報でご確認ください。